2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 255_2
日本では少子高齢化に対し、人間と同じ生活空間で共存して働く福祉ロボットの実現が期待されている。本研究では、ロボットによる介護施設での福祉作業実現を目指し、介護作業の洗い出しと、RECSコンセプトに基づく自律ホームロボットHSRでの扉の開閉作業、車椅子の牽引移動作業の実証実験を行った。RECSコンセプトとは、ロボットによる作業の達成を可能あるいは容易にするために作業環境を整備するという考え方であり、このコンセプトに基づき、介護施設での福祉ロボットの実現を目指す。介護作業の洗い出しでは、食事、排泄、入浴、移動・移乗、などに大別した後、服薬支援、オムツの廃棄、脱衣介助、車椅子での移動など、さらに76種類に分類し、介護作業の整理を行った。また、実証実験ではトヨタ自動車株式会社の自律ホームロボットHSRを用い、関西大学が所有する実際の生活空間を模した実証実験住宅である月ヶ丘住宅にて、引き戸、開き戸それぞれの開閉作業と、人間が乗った状態の車椅子の牽引移動作業の実証実験を行った。