抄録
近年、地球温暖化問題への取り組みは世界的に重要な課題となっているが、その中でも地球温暖化の一因となっているプラスチックの総廃棄量は10005万トン/年にも上っている。我々はバイオマスプラスチック特有の酵素分解性に着目し、酵素を用いたバイオマスプラスチック容器の分解およびエネルギー回収について研究を行っており、その回収システムを用いた新しいサステナブル社会の構築を目的としている。その中で一般的に用いられ、酵素分解性が低いとされているポリ乳酸の易分解化を達成する分解促進剤を発見し、その樹脂の酵素分解時の最適条件についての検討を行った。その中で、PLAを酵素分解する際に分解液中にエタノールを少量添加することで、酵素活性維持、分解物モノマー回収量が向上し、メタン発酵効率も飛躍的に上がることを発見した。このことは、目的である新リサイクルシステムを用いたサステナブル社会の構築の一助となると考えられる。