抄録
当研究室で開発された、オリゴマー化した発泡ポリスチレン廃材のケミカルリサイクルの一環として、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテンを相溶化剤とした天然ゴムとポリスチレンとのアロイ化によるホットメルト粘着剤向けのエラストマーの調製を行っているが、粘着付与剤を添加すると、使用想定温度範囲内での貯蔵弾性率が要求される値を下回ってしまい、凝集破壊が起こってしまう問題点が生じた。改善策として無水マレイン酸が天然ゴムのイソプレンとの反応によりグラフト化、架橋反応を引き起こし、分子間力を強めることを利用して、ポリマーアロイに酸無水物を添加し改質したところ、10phrの無水マレイン酸の添加でホットメルト粘着剤に適した改質を行うことができた。また、二無水ピロメリット酸の添加では、無水マレイン酸よりも少ない量で改質効果が見られた。