抄録
本稿では、地域における循環型社会形成を推進するための社会経済的手法を「社会経済的変換技術」の概念を用いて一般化することを試みた。検討の対象としてメタン発酵によるバイオマス系廃棄物の循環システムをとりあげ、特に消化液の液肥利用を促進するための方策を体系化することを目的とした。メタン発酵消化液の全量農地還元を達成している熊本県山鹿市・福岡県大木町と、消化液の大部分を水処理している京都府南丹市を比較し、液肥利用方策の分類を行った。その結果、液肥利用に成功している地域では、特に液肥の社会的評価を向上させるための取組が充実していた。社会経済的アプローチによるこれらの方策は、「社会経済的変換技術」として位置づけることができる。廃棄物の再生利用技術である自然科学的変換プロセスと社会経済的変換プロセスの双方に関わる業務を執行することで、地域における循環システムが形成される。