抄録
本研究では、多様なバイオマスから安定的にエタノールを製造するプロセスを開発することを目的とし、アルカリ酸化処理(Alkaline / Oxidation;A/O処理)を適用したプロセスを提案している。A/O処理は、バイオマスをアルカリ溶液に浸漬させた後、酸化剤である過酸化水素を添加する手法であり、常温常圧で行える簡易的な前処理である。この手法には、後段の酵素糖化反応を促進する効果に加え、アルカリによる雑菌の繁殖抑制などバイオマスの品質を確保できる特長を有している。ここでは、エタノール製造に利用可能な原料種の拡大を図るために、防腐剤等の薬剤を含んだ建設廃木材を用いてその利用可能性を調査した結果を報告する。