抄録
下水汚泥を焼却する際に発生する一酸化二窒素(以下N2O)は、その地球温暖化係数が二酸化炭素の310倍と高く、下水処理工程から排出される温室効果ガスの大きな割合を占めている。東京都下水道局の2009 年度における温室効果ガス排出量のうち27%が汚泥焼却時に発生するN2O によるものであり、その削減が急務となっている。 現在、N2O排出量を約7 割削減できる高温焼却(焼却温度850℃運転)が実施されているが、補助燃料のコスト増が問題となっている。
本研究では補助燃料使用量の増加を極力抑えつつ、高温焼却と同等以上のN2O 低減効果を期待できる省エネルギー型温室効果ガス削減技術として多層燃焼技術に着目、下水汚泥焼却に対して本技術を適用しN2O 及び補助燃料低減効果を確認した。また300t/日規模の既設下水汚泥流動焼却炉に多層燃焼技術を導入し、実機で安定運転を確認したのであわせて報告する。