抄録
海面埋立処分場土壌の安定化を評価する為の微生物学的な指標について検討するため、大阪湾に面する海面埋立処分場の保有水および土壌サンプルの経時的な細菌叢の変化について調査を行った。平成20年12月から平成22年2月の3期合計71サンプルについて、16S rRNA遺伝子塩基配列に基づく網羅的な細菌叢解析手法を用い、計6456クローンの塩基配列を解析した。細菌叢解析結果を基に、物質循環に関わる細菌群の検出率を調べた。また、属レベルでの菌種と検出割合を基にした主成分分析を行った。その結果、理化学検査結果では把握することが困難な、海水の影響(シアノバクテリアの検出)や、硫化水素やメタンガスの発生に関与する菌群(硫酸還元菌、硫黄酸化細菌およびメタン酸化細菌)の分布挙動を基に、処分場土壌における物質循環の変遷過程等を、微生物学的知見で考察が可能なことが示された。