抄録
現在,鉄鋼スラグや溶融スラグは路盤材や骨材として有効活用されている。近年,土壌環境基準項目にフッ素が追加されたため,鉄鋼スラグや溶融スラグを有効利用する際には,環境中へのフッ素の溶出抑制が不可欠である。フッ素不溶化技術の一つにリン酸処理がある。リン酸処理した鉄鋼スラグは,難溶性フッ化化合物の形成によりフッ素の溶出を抑制できることが報告されている。難溶性フッ化化合物は,前駆物質であるHydroxylapatiteを経て形成される。また、溶融スラグについてはリン酸系薬剤とカルシウム系薬剤を添加させることにより,鉛の溶出を低減できることが報告されている。これらのことから鉄鋼スラグや溶融スラグにリン酸と水酸化カルシウムを添加した場合,Hydroxylapatiteがスラグ表面に形成されると考えられる。しかし,溶融スラグに関しては,鉛の不溶化が形成されたHydroxylapatiteによる被膜の影響によるものか,pHの影響によるのか等,未だ詳細は明らかにされていない。本研究では走査型電子顕微鏡を用いて,溶融スラグ表面を観察し,Hydroxylapatiteの形成および鉛をはじめとする重金属不溶化について検討した。