抄録
テレビ放送がアナログ放送からデジタル放送に完全移行することに伴い,大量のブラウン管型テレビの廃棄が想定されている。リサイクル等が困難な場合,埋立処分等の廃棄処分も考慮する必要がある。埋立処分地ではCRTガラスが土壌と直接的に接触する可能性もあり,その際のCRTガラスからの鉛等の溶出挙動を事前に把握しておくことは重要である。そこで,本研究では数種類の代表的な土壌を用い,任意の割合でCRTガラスと混合して溶出試験を行ない,土壌共存下でのCRTガラスから鉛等の溶出挙動について実験的に検討を行なった。川砂または山砂と共存下にあるCRTガラスの溶出液中には,溶存成分としてPb成分は検出さたが、黒ボク土,黄褐色森林土または鹿沼土と共存下にあるCRTガラスの溶出液中では,Pb成分は検出されなかった。また,CRTガラスの重量比が大きくなるにしたがって溶出液中のSi濃度はわずかに増加することが確認された。