抄録
廃棄物最終処分場の中間覆土代替として水平型浸透性反応層(HPRB)を設置した場合の浸出水水質改善効果の長期的な性能評価のため、大規模埋立実験槽を用いた実験を継続している。容量比で一般廃棄物焼却灰50%、不燃ごみ・粗大ごみ破砕物20%、シュレッダーダスト30%を混合した廃棄物(廃棄物1)、及びこの混合廃棄物にコンポストを5%添加した廃棄物(廃棄物2)を充填し、中間覆土・底部覆土として火山灰土壌と鉄粉廃棄物、溶融スラグを混合して調製したHPRB層を設置した実験で、約4年経過時まで処理効果が継続していることを確認した。ただし、ホウ素に関しては浸出水中濃度が上昇傾向にある。また、HPRB設置の有無による浸出水水質が水処理に与える負荷をLCAにより試算したところ、埋立後1年間のCO2排出で1/67(廃棄物1)、1/12(廃棄物2)であった。