抄録
下水汚泥と生ごみについて、超臨界水ガス化処理による燃料ガス生成挙動などの反応特性の検討を行った。回分式反応器に所定量の下水汚泥、標準生ごみ、純水、及び条件によっては添加物を封入し、500℃、25MPaの条件にて30分間超臨界水ガス化反応に供した。反応終了後は、反応器内のガスを回収し、GC-TCDにより生成ガスの定量分析を行った。
実験検討の結果、下水汚泥と生ごみを共処理することによりガス化率が向上することが確かめられた。両者の混合比率を変動させた検討より、本研究の実験条件においては生ごみの混合重量割合が70-90%のとき冷ガス効率が最大となった。さらに反応系内にチタン、ニッケル、炭酸カリウムを添加することによりそれぞれ冷ガス効率が向上することが確認され、特に500℃、25MPaの条件にて反応系内にニッケル及び炭酸カリウムを添加することにより、下水汚泥及び生ごみの混合物(重量比0.3:0.7)について冷ガス効率90%が達成された。