災害に伴って発生する廃棄物(災害廃棄物)については,その発生量は膨大で,種類も多く,実際的な処理計画が重要になる。適切な対処をしなければ,災害廃棄物が復旧・復興自体のネックになるばかりでなく,復旧・復興後の残留環境汚染要因などになりかねない。これらの災害廃棄物の処理・処分や有効利用が成されるまでの期間,廃棄物をストックするための仮置き場(一時集積場)が通常設けられるが,その設置方法などが課題となっており,実質的に計画が進まないのが現状である。この解決のためには,1)災害廃棄物の発生量と質の予測を適切に行い,それを基にした処理計画を策定すること,2)災害廃棄物のストックの場として重要となる仮置き場の適地選定方式を確立すること,3)そのための仮置き場の構造,維持管理,廃止の簡易的な基準を設定することが必要である。今後,予防措置の観点からも,こうした取り組みが早急に望まれる。