抄録
本稿では、アジアの使用済み電気・電子製品の貿易管理に関連して、現状唯一の国際政策プロセスであるバーゼル条約に注目し、その制度的課題の分析を通じて、使用済み電気・電子製品の貿易の問題解決の方向性についての考察を試みた。
現状のバーゼル条約体制下では、UEEE貿易に関し、UEEEの定義とバーゼル条約の対象判別、途上国の条約対応/規制実施能力と事務局の機能強化、加えて、貿易規制型解決の限界に関する課題があると考えられる。
また、UEEE貿易の問題は、環境汚染だけではなく、途上国の社会的な問題であり、輸入禁止や含有物質や製造年に基づいた輸入規制を行うといった各国の様々な対応ある。一方、化学物質管理の視点からもUEEEの貿易に伴う問題を議論する動きがある。
それらを踏まえて、今後は、バーセル条約の制度的課題について継続的に改善を続けるとともに、短期的、および中長期的な途上国の能力開発などの対応が必要となってくるだろう。