抄録
慶安2年(1649)の江戸町触れは、ごみ処理に関するわが国で最初の法令とされる。しかし、それが出された理由については、これまで、片付けを命じられた対象である会所を都市機能上、何らかの役割を果たすものと考え、その機能を回復するためとする考えが主流であったが、近年、「悪臭やカ、ハエ」などという理由も登場した。しかし、それらについて特に根拠が明らかにされていないことから、検討を行い、(1)本町触れと同一趣旨と見られる後年の町触れの内容と近年の会所に関する研究から、ごみが下水や堀等へ流出することを防止するため、または(2)直前に起こった慶安大震災と関係あるものとして、火災への警戒・予防としての一環、の二つの可能性が考えられるとした。