抄録
自動車に含まれる鉛使用量に関しては,車種やメーカーごとの削減データは得られるが日本全体での削減効果の試算は行われていない。そこで本研究では,まず部品ごとの鉛使用量の削減データの整理・補完を行い,次いで使用済み自動車の処理フロー中での鉛使用部品の排出先を設定することでASR中の鉛濃度を推定し、その自主規制の効果を予測した。
この際,使用済み台数の将来予測が必要となる。年々変化する自動車の素材組成や物質の使用量に対応するためには販売年ごとの組成の設定と販売年ごとの使用済み台数の把握が必要である。そこで,販売年ごとの保有台数の残存率をワイブル分布を用いて近似することで使用済み台数を予測した。