抄録
アスベスト含有建材のストックは4,000万トン以上あり、今後、建築物の解体に伴って、大量に廃棄されることが予想されている。本開発では、過熱蒸気を利用して、アスベスト含有建材を大量に無害化・資源化できる新技術を開発し、実用化を目指している。
アスベスト含有建材の無害化に用いた過熱蒸気の効果について検討し、以下の知見を得た。
(1) アスベスト含有建材中のOH基が共振することで、脱水を促進するとともに、アスベスト含有建材内部へ熱伝導
することで加熱速度も早める。
(2) クリソタイル分解物と建材中に存在するカルシウムとの固相反応を促進することにより、空気雰囲気下での処理よりも200℃低い加熱温度で、クリソタイルを確実に非アスベスト化できる。