抄録
本研究は、廃石膏ボードのリサイクルを推進するため、廃石膏ボードから分離した石膏(二水石膏)を焼成して得られる再生半水石膏を建築用資材(中性固化材)等として有効に利用する技術システムの確立を目指し、研究開発を行っている。本報告では、再生半水石膏により改良された脱水ケーキの(1)強度・変形特性の検討、(2)再泥化特性の検討、(3)環境・安全性に関する実験的な検討結果について報告する。その結果次のような結論が得られた。(1)脱水ケーキに再生半水石膏を混合し、締固めることによって、混合材料の強度を増加させることができる。また、改良効果は、材料混合直後に発揮され、養生に伴って変化しない。(2)再生半水石膏を添加することにより、再泥化しにくくなるが、約10時間程度で完全に再泥化してしまう。また補助固化材の添加は、再泥化を抑制することができる。(3)土質材料の違いによってフッ素溶出特性は異なり、細粒分含有率とフッ素の吸着量は高い相関性が見られた。