主催: 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
福島第一原子力発電所の事故により、福島県の広い地域に放射性物質が降り注いでしまっている。家畜排せつ物を堆肥化して農地に返す有機資源循環が止まらないよう、阿武隈川流域にある2か所のたい肥生産施設の放射線量を緊急調査した。7月時点では、排せつ物や堆肥の放射性物質量は周辺土壌よりも少なく、農地散布に問題ないと思われた。秋以降に収穫される稲わらやもみ殻の放射性物質量に注意が必要である。有機資源循環を意識した放射性物質のモニタリング、汚染されたワラや牧草を適切に処理する施設の建設、放射性物質が濃縮される残渣の処分方法の確立が、急務である。