抄録
不法投棄事案に関する支障に関する考え方は、「生活環境保全上の支障又はそのおそれの考え方等について(環境省廃棄物・リサイクル対策部適正処理・不法投棄対策室事務連絡 平成21年7月15日)により、支障やそのおそれの区分等に関する考え方が示されている。また、(財)産業廃棄物処理事業振興財団の編著による「不法投棄及び不適正処理現場の対策と技術」(大成出版社発行)が発刊され、不法投棄現場等の初期確認事項および支障の把握等について、把握の方法や判断の基準となりうる各種の指標が示されている。
当社では、このたび、東日本のA県において、県の協力の下、小規模な不法投棄残存事案(最大約5,000m3未満)の約20箇所について、不法投棄地における、投棄の規模、投棄されている廃棄物種および支障やそのおそれの有無について調査した。
本稿では、実態調査を踏まえ得られた知見より、支障に考え方や各種指標と実際の不法投棄現場等の相違や、今後の調査の実施おける留意点を、事例を基に考察する。