抄録
香川県豊島では,産業廃棄物不法投棄問題解決のため,2003年から豊島廃棄物等処理事業が共創の理念の元で行われている.住民が安心して暮らすためには,事業者との事業進捗状況などの情報共有が必要不可欠であり,処分地水について処分地で測定されたDXNsの動向を見るとともに処分地排水対策について検討した.まず,計測地点区分ごとの平均値をみることにより,計測地点ごとのDXN類の濃度の傾向がわかった.次に,全DXNデータ182検体に関して,統計解析ソフトによりクラスター分析を行い,組成の類似したものを分類した.このDXNs検体の採取箇所別の検体数をマッピングすることによって,揚水井の毒性が弱いことがわった.今後の水処理への対応として,掘削により飛散した廃棄物を洗い流すことで飛散をより防ぐこと,沈砂池1においても初期雨水を分離し,初期雨水とその後の水の成分を比較などの,今後の戦略的な水処理へ向けての改善案の提示を行った.