多くの自治体は,ごみ有料化や分別・収集区分の変更などによりごみ減量の成果を上げてきている。しかし,これらを通じてリデュースやリユース行動に繋がっているかどうかを検討した研究は少ない。本研究では,札幌市におけるごみ・資源回収ルール変更を題材とし,回収ルールの変更が上流の2R活動にもさかのぼって効果があるかどうかについて,社会的ネットワークの観点から検討した。札幌市在住者1500名を対象にした無作為抽出によるアンケート調査を実施し,53%の回収率を得た。その結果,ごみ排出行動や集団資源回収などは町内ネットワークが,リユース行動は町外ネットワークが関連していた。店頭回収というリサイクル行動は,町内・町外両方のネットワークが関連していた。地域内外のネットワークが,ごみ排出行動から2R行動へと繋がる可能性について議論した。