抄録
廃棄物焼却からの化石由来CO2排出量を推定する方法として、化石由来炭素と生物由来炭素の14C比率の違いを利用する14C法が注目されている。既存の規格では生物由来炭素中の14Cを現代の大気中14Cとしており、1950年代に始まった大気核実験による一時的な14C濃度の上昇を考慮していないので、誤差が生じる。そこで本研究では、大気核実験中に成長した樹木を使用していると考えられる建築廃木材を対象に、14C比率を推定した。推定には大気中14C比率の推移、収穫表に基づくChapman-Richardsの樹木成長関数、木造住宅の寿命分布を用いた。推定結果から、核実験前後で、樹木が育った期間により14C濃度に大きな差がみられた。また、今後排出される建築廃木材は、核実験による影響を強く受けた樹木が使われているため、より高い14C比率となることが予測される。