抄録
平成23 年度の我が国における新車販売台数は約420 万台である一方,使用済み自動車は約500 万台発生しており,自動車のリサイクルシステムの確立が望まれ,その有効な手段のひとつとして,自動車リサイクル部品の活用が期待されている.2005 年に日本損害保険協会が一般向けに行った調査によると,自動車のリサイクル部品に関して99.3%が肯定的な意見であり,リサイクル部品を使う際に欲しい情報として環境負荷の削減効果に関する情報が,15.4%を占められており,条件によっては使用したいと考えているユーザーに対して,環境負荷の削減効果に関する情報を提示することの有意性がうかがえる.こうした背景から,筆者らは自動車のリサイクル部品の環境負荷削減効果を見える化し,エコポイントとしてユーザーに還元することが可能な「環境貢献ポイントシステム」を構築してきており,今年度はデータベースの拡充やデータベースの更新方法の検討をすることで高度化を図った.