抄録
CDやDVD、ビデオテープなどの記憶媒体はマテリアルリサイクルに適しているが、それらを資源として回収している自治体は少ない。資源回収を促進するためには、その廃棄実態を把握することが重要である。家庭から排出された記憶媒体の組成分類調査と、ビデオテープの出荷量調査を行い、その廃棄実態の把握を試みた。現在廃棄されている記憶媒体の重量の7割以上はビデオテープである。記憶媒体の資源回収ルートを用意することで、1世帯当たり7.7kg程度の回収が見込める。だたし、この値は資源回収に記憶媒体を持参した世帯の平均値である。過去21年間の世帯当たりのビデオテープ累計消費量は98点、定期収集ごみへの累計廃棄量は67点と推計された。資源回収ルートを用意した場合、32点が回収できると推計された。記憶媒体の将来的な廃棄可能性や資源性を把握し、効果的な処理システムを検討することが求められる。