抄録
2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、廃棄物焼却施設を災害時の防災拠点とする考え方が検討され始めている。例えば、平常時に廃棄物焼却施設で備蓄した非常用飲料水や生活用水を災害時に周辺住民に提供すること、あるいは、災害発生後に廃棄物焼却施設内の排水を浄化処理して避難住民の生活用水として再利用することなどが考えられる。しかしながら、現状の廃棄物焼却施設で発生する生活排水やボイラブロー水などの排水は、生物処理や物理化学的処理され、焼却炉や減温塔に噴霧されるか、下水道に放流されている。そこで、本研究では、廃棄物焼却施設の実排水を処理対象としてRO膜による浄化処理について検討し、基本プロセスを構築できたので、その結果について報告する。