抄録
食品系廃棄物のリサイクルの推進に伴って、食品残さが付着した容器等のプラスチック廃棄物が発生しているが、付着する食品の腐敗による悪臭の発生等の問題により、ほとんど有効利用されていない状況にある。本研究では、食品付着廃プラスチックの熱利用を推進するため、廃プラスチックを圧縮成型と減圧梱包によって燃料塊に加工し、食品付着物の腐敗と臭気の発生を抑制するプロセスを開発した。燃料塊は、圧縮後の廃プラスチックの表面を溶融することにより、密度0.4kg/L以上、サイズ約100×100×200mmに成型する。不純物として、紙(ペーパータオル)は30wt%、難溶融性のプラスチックは15wt%、水分は10wt%以上混入する場合でも、溶融性(成型加工性)への影響はなかった。また、成型後、ポリエチレン製の袋に収納し、減圧シールすることにより、臭気の発生は抑制されることを確認した。