抄録
容器包装資材の利用及びリサイクルに係わる要因を考慮できる容器包装を対象とした物質フローの資源循環モデルを開発し、近未来(2030年)の容器包装廃棄物の発生・処理・リサイクルのシナリオ予測を行った。この容器包装の資源循環モデルは、内容物である食品等とそれらの容器包装の需要変化からこれらの需要を満たすための素材利用を、バージン材製造、リサイクル材利用、輸出入等の影響を考慮したマテリアルバランスから推計するモデルであり、素材需要と合わせてCO2排出量の推計も組み入れている。容器包装モデルを用いた事例計算では、社会変化として対照的な2つの「社会シナリオ」を設定し、それぞれの素材需要および廃棄物・リサイクル状況の推計を行った。社会シナリオに加えて循環型社会のための対策を「対策シナリオ」として想定し、それらの対策効果を評価した。