抄録
ハイブリッド車の国内普及台数は200万台を突破し、今後もさらに増加していく。これは廃棄台数の増加にも繋がり、戦略的なリサイクルを行うことで希少資源確保が可能となる。本研究ではハイブリッド車の廃棄や二次バッテリー交換により発生する制限性物質のフロー推定を行った。統計情報をもとに販売年ごとの残存率関数をワイブル分布で仮定し推定を行った。推定期間は2020年までとした。また、バッテリー交換はアンケート調査による回答結果をワイブル分布で仮定し、使用年数による二次バッテリー交換が行われる確率を推定した。推定結果をもとにハイブリッド車の将来普及台数と廃棄台数、二次バッテリーの廃棄台数の推定を行った。2020年には廃棄台数が25万台を超えると推定された。次に、廃棄されるモーター中の希土類の回収ポテンシャルを推定したところ、2020年にはネオジム、ジスプロシウムが合わせて58トン回収できると推定された。