抄録
本研究では従来車及び次世代車が、廃棄される段階での資源性及び有害性を定量的に調査した。方法は買いたい業者と連携して使用済自動車の解体・分析を行った。対象車種は次世代車としてハイブリット車、従来車としてガソリン車を解体した。解体部品の記録結果からは、車体内装のフロント部分に電子基板が集中的に存在することが判明した。解体部品の内、内装材・次世代車の駆動用モーター磁石・電子基板について定性定量分析を行った。内装材は有害物質である鉛を分析対象元素とし、ハイブリット車で2部品、ガソリン車で3部品に含有が確認された。駆動用モーター磁石は素材構成比としてNdが21.2%、Dyが8.3%であることが判明した。電子基板は、多種の有用・有害元素を含有していることが判明した。今後は未分析サンプルの分析を進め、SFA等を実施することで、ELVの資源性及び有害性物質フローを明らかにする予定である。