抄録
一般家庭から排出される使用済みの家電製品は、焼却による減量などが困難である。その約半分はそのまま埋め立てており、埋立処分場の減少の要因となっていた。このことから家電リサイクル法が制定された。PP、PS、ABS、PVC、ウレタンの5種類が家電プラスチックの使用割合の大半を占めている。選別機では100%分別できず、混合物も少なからず残る。平成24年度の再商品化率は84%で39.5万トンであった。残り16%(11.3万トン)は、焼却あるいは埋立処理されている。本研究では、廃家電残差の有効利用を目的に、油化実験を行った。試料には、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、テレビの家電4種類の混合プラスチックを使用した。FCC廃触媒を用いて、家電4種混合プラスチックを油化した。油の回収率は63%であり、油中のワックス分は微量であった。試料の中には金属が含まれているが、金属は残差とともに反応器内に残り回収できる。