抄録
家屋等の解体で廃棄される石膏ボード廃材の再利用率は数%であり、そのほとんどが埋め立て処分されている。埋め立てでは、石膏に含まれる硫黄分に由来する硫化水素の発生の恐れから管理型最終処分場での処分が義務付けられており、高額な処分費用が必要となる。また、最終処分場の残余年数にも限りがあるため、石膏ボード廃材の再利用向上が求められている。そこで本研究では、石膏ボード廃材の処理方法として、廃プラスチック等の熱分解ガスを用いて石膏を脱硫し、生石灰(酸化カルシウム)として再利用するリサイ クルシステムについて検討している。このシステムが実現できれば、石膏ボードを石灰として再利用すると同時に、廃プラスチックの有効利用にも貢献できる。 本システムの実現にあたり、まずは電気炉を用いて反応に必要な温度の確認を行った。また、実機への応用を見込んで回転炉を用いた検討を行なった。