抄録
産業廃棄物中間処理施設において、搬入廃棄物に添付されたマニフェストの記載情報と現物についての確認を行ったところ、次の結果が得られた。1) 紙マニフェストへの複数の産業廃棄物の種類記載が10%程度存在していた。また、マニフェストへの数量記載は、産業廃棄物の種類によって違いはみられるものの、全体では重量が約60%と多かった。2) 搬入産業廃棄物にマニフェストに未記載の産業廃棄物が含まれている事例が、一定割合で存在する。3) トラックスケール保有施設での測定重量を、マニフェストの記載数量として確定する割合は約80%と推定された。4) 環境省通知による重量換算係数は、約50%の中間処理施設であまり信頼できないと認識されていたこと、搬入産業廃棄物の見かけ比重測定値と大きく異なる場合が見られたことから、マニフェスト記載情報の信頼性を高める観点からも、重量換算係数の早急な見直しの検討が必要と考えられた。