抄録
産業廃棄物の不法投棄は、国、行政、産業界、処理業界の取り組みにより、近年減少している。しかし、排出事業者等による小規模不法投棄は依然発生しており、廃棄物種類別では、建設系廃棄物が従来同様60~80%を占めている。建設系廃棄物の不法投棄の発生要因や対策のあり方を探ることを目的に、小規模業者等の建設現場従事者を対象に、法制度の認知状況や廃棄物の取り扱い状況に関するアンケート調査を行い、282人から回答を得た。その結果、小規模建設業者の現場従事者に廃棄物処理法等の廃棄物の取り扱いに関する情報がほとんど伝わっていないことや、法制度を知らない中で不適切な処理が行われている状況にあることが分かった。末端の建設従事者への適正な廃棄物処理方法や廃棄物の発生抑制、リサイクル等についての情報伝達や法制度周知が極めて重要になっている。