抄録
アスベスト(以下AB)含有量が0.1w%を超える廃棄物は特別な処理が必要になるため,建築物の解体時にはAB調査(JIS法)が行われ,分別解体される。しかし廃棄物は混合体である以上,廃棄物処理施設に搬入されるガレキ中にAB含有建材が混入する可能性がある。さらに,災害廃棄物はAB含有建材の混入は避けられないであろう。そこで,建設廃棄物の解体や処理現場においてABの迅速な判定方法が求められる。JIS法は判定に必要な時間が長いため,現場での判定には向かない。迅速判定法として埼玉県が開発した目視判定法があるが,判定精度と必要時間は不明である。精度と必要時間が分かれば現場での目視判定が現実的かどうか提案できる。本研究では目視判定法の精度と時間を把握し,未選別ガレキの山をAB含有/非含有で選別したときの,選別後の濃度と必要時間を見積もることを目的とした。