抄録
容器包装のスーパー等での店頭回収は、企業の社会的責任としての範疇を超えて、容器包装リサイクルに不可欠な社会システムとして重要な役割を果たしている。本稿は店頭回収の先進事例調査にもとづいて、店頭回収の動向や可能性、課題について考察したものである。 事例として、自治体が積極的に関与し店頭回収の機能を活用して、容器包装以外の乾電池などの回収を行っている例など、店頭回収と自治体の拠点回収のハイブリッド型がある。また再生資源の価格上昇を背景に、自社で大規模なリサイクルセンターを建設して店頭回収の事業化を見越した取り組みをしている事例もある。店頭回収は消費者のライフスタイルに合ったリサイクルルートであり、推進に当たっては自治体との協働や連携がカギとなる。また廃掃法の規制によって回収対象物が限定されたり広域に運搬することができないなどの問題もあり、法規制の見直しも必要である。