抄録
我々は、近年、光触媒である二酸化チタン(TiO2)とポリエチレンオキシド(PEO)を組み合わせた擬似酵素システムの開発に成功し、ポリプロピレン(PP)やポリスチレンなどの易分解・生分解化に成功した。最近、この擬似酵素システムがPPを親水基含有のオリゴマーに変換できることを見出した。このPPオリゴマーは、親水および疎水基の両方を有していることから、相容化剤や界面活性剤様な高付加価値がある製品となる可能性がある。故に、廃棄PPのリサイクル法として、オリゴマーへの変換・利用法は、高付加価値を付与するアップグレードリサイクル法となりうるものといえよう。本発表では、擬似酵素システムを用いたPPオリゴマーの作製およびPP/ナノセルロース複合材料用相容化剤としての性能評価を行った結果について報告する。