抄録
当社は、並行流焼却炉を基軸技術とした、次世代型の焼却炉であるカワサキ・アドバンストストーカシステムを上市している。本システムは、低空気比高温完全燃焼、熱回収率の向上、焼却灰・排ガスのクリーン化、運転の安定化をコンセプトとし、環境負荷の低減とエネルギー利用効率の向上を図っている。このシステムの要素技術を盛り込んだプラントを2008年12月、枚方市様に納入し、今年運用期間5年を超えた。炉内のガス温度は十分高温で、排ガスや焼却灰の性状も良好であることから、低空気比高温完全燃焼が実現できていると言える。一方、炉内の耐火物は大きな損傷も無く良好な状態である他、水冷火格子の磨耗や腐食もほとんど無いため、使用開始後10年程度使用可能であることが確認できた。これらのことから、本システムは低空気比高温燃焼と耐久性を両立させたタフな、プラントの運営、維持管理費用の削減に貢献できる焼却炉であると言える。