抄録
本研究では、昨年と同様、層厚を実サイズの50cmとしてその上に保護土を敷設することで含水比が締固め時から大きく変化しないようにした屋外模型BMS遮水工に対して、昨年の実験での課題を改良して、局所沈下深さとジオネット(GN)の有無を変えた沈下実験を行い、変形したBMS層の遮水性の把握を試みた。
その結果、①BMS層を亀裂が貫通しない場合は、ベントナイトの膨潤により遮水性が回復することが確認できた。②BMS層上面亀裂が下部まで貫通した場合は、浸透流にベントナイトの膨潤が追い付かないと考えられた。③亀裂が発生したBMS層の透水係数は、健全な状態と比較して数倍から20倍程度大きくなることが求められた。④BMS層上部に約1mの水位が存在する状況下での許容沈下量は、BMS層下部にGNを敷設しない場合は10cm程度、GNを敷設した場合は20cm程度と考えられた。