水銀使用を国際的に制限する社会的要請により、余剰水銀の回収および適切な長期保管が求められている。そこで本研究では、HgSとして埋立地に埋め立て処分された水銀が外部へ溶出し、最終的に人体へ摂取されるケースを想定した。その環境リスクを評価するモデルを構築し、より現実に即すために埋立地内の流れを不飽和浸透流れに改良した。環境リスク評価に大きな影響を与えるパラメータを降雨条件まで含めて感度解析によって求めた。基準シナリオでは埋立処分から約1400年後に環境リスクが無視できなくなり、浸出水の水銀濃度は50年で排水基準を超過した。長期的な浸出水モニタリングが必要であることを示唆している。降雨条件は他のパラメータよりも環境リスクに与える影響が大きく、環境リスクを抑える上で、埋立地への雨水浸透を減少させることが現実的かつ効果的な対策であることが提案される。