主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
建築物の解体や建設混合廃棄物の処理現場においてアスベスト含有建材(ACM)の迅速な判定方法が求められる。迅速判定法として埼玉県が開発した目視判定法は,いまだ判定に長時間(26 s/CDW片,破断面観察)必要であるため,選別現場に適用するためには,時間短縮が必要である。筆者らの研究の経験から,CDW片にはアスベスト繊維が観察されやすい部位が存在するように見られた。その部位だけを観察して含有判定した結果が,全表面を観察して判定した結果と同様であれば,その部位だけを観察してもよいことになる。これによって,目視判定の時間は短縮できる。本研究では,多数のCDW片の表面を区割りし,その分画ごとに露出するアスベスト繊維束の密度を目視によって測定した。また,CDW片のアスベスト含有量を測定し,各CDW片が実際にACMかnon-ACMであるか調べた。以上から,CDW片の全表面もしくは一部の表面を目視し,ACMかnon-ACMか判定したときの誤判定率をそれぞれ求めた。