抄録
炭酸吸収等による焼却残渣の安定化を定量的に取り扱うためには気相のCO2が取り込まれている速度を見積もる必要がある。これまで、中性域水溶液、弱アルカリ性水溶液、消石灰懸濁液で水相側物質移動係数kLを調べ、アルカリ性による吸収促進効果が10~ 20 倍であることを示した。今回、異なる種類の焼却飛灰使用した実験を行い、kLが残留する石灰などの飛灰の性状と関連があることを見いだした。あわせて、kLの意味を「単位時間あたりの浸透深さ」であると見なすことで、直感的な理解が深まるのでと考えるため、本論でそのスキームを述べる。