抄録
我が国のインフラは高度経済成長期に作られた物が多く、老朽化対策が喫緊の課題である。ただし、建築当時(1960年代)の塗装が残っている場合があり、それにはPCBや鉛などの有害物質が含まれている恐れがある。昨年環境省から「低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第2版)」が公表され、塗膜の正確な含有量調査が可能となった。ガスクロマトグラフ/高分解能質量分析計(GC/HRMS)を用いて橋梁の廃塗膜中PCB濃度調査を実施した結果、比較的低濃度の橋梁が多く見られたことから、廃塗膜(塗料)においても絶縁油と同様に、PCBの汚染由来による検出が考えられる。このような場合、PCB含有廃棄物であるかどうかの判定がPCBの有無(添加の有無)ではなくなり、正確な定量評価が必要となる。そのため廃棄物を適正に処理する上で、測定下限の設定や採取方法は廃棄物の判定に大きな影響を与える要素と考えられる。