抄録
中間貯蔵施設等における放射性セシウムを含む焼却飛灰の減容・安定化について検討した。 焼却飛灰に含まれる放射性セシウムは、溶出しやすいとされているが、今回試料として使用した稲わら燃焼由来の焼却灰では、放射性セシウムの溶出が少なかった。しかしながら、数回連続した溶出操作でも放射性セシウムの溶出が止まらなかったため、安定化の観点で、より溶出力の強い液体での処理を試みた。塩酸を使用して中性域に保持する処理法を試験したところ、固体側に保持される放射性セシウムが他の溶出成分より少なかったため、処理の放射性セシウム濃度が上昇する結果となった。溶出した放射性セシウムは、固形化プルシアンブルー製品を使用して、1,000万Bq/kg程度まで濃縮できることがわかったので、今回使用した灰は、処理によって安定化を実現しつつ、容積を20%にまで減少させることができることがわかった。