主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
本研究では、ゴミ箱のデザインが消費者のペットボトル分別廃棄行動に与える影響、特にキャップの除去に注目して調査した。10種類のゴミ箱をデザインし、それらを使用して回収実験を実施した。実験の結果、ボトルとキャップを一つのゴミ箱で回収する一体型、投入口下部に回収対象物を明示する指示語型というデザインが組み合わされたゴミ箱が、他のゴミ箱よりも高いキャップ除去率を示した。対応のあるt検定で各々の比較群に現れた違いを検証したところ、それらの全てにおいて5%有意水準にて有意性は棄却された。一方で、異物混入率に関しては、特定のタイプを除いてどの比較群においても明確な差は示されなかった。しかしながら、各々のゴミ箱デザインが相互に影響を与えている可能性は否定できない。ゆえに、回収実験を継続して十分なサンプル数を確保し、複合的なデザインの効果について検討しながら統計的有意性を評価する必要があると考えられる。