主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
環境省は2011年8月に「災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドライン」を策定した。これにより、災害廃棄物のうち、木くず等の可燃物については焼却処理を行い、そのうち、放射性Cs濃度が8000Bq/kg以下の主灰に関しては、既存の一般廃棄物最終処分場(管理型)への埋立処分が可能となった。管理型の最終処分場では、安定化を早めるため準好気性の構造をとっており、雨水などの水が通りやすくなっている。放射性Csは非常に水に溶けやすい物質であることから、高濃度の放射性Csを含む主灰を処分場へ埋め立てると、埋立層内を浸透する水に溶けだすと考えられる。その後、溶けだした放射性Csが廃棄物層内を移動し、処分場外へ流出すると、周辺の環境が汚染される可能性がある。 本研究では、放射性Csと性質が似ている安定Csの濃度や化学形態を調べることにより廃棄物埋立層に賦存する安定Csの挙動の解明を研究目的としている。