廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
セッションID: E2-15_Poster2
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E2 有害化学物質・放射性物質
フェントン法を用いた難生分解性微量医薬品の除去に関する検討
*佐鳥 博俊澤井 理布浦 鉄兵
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抄録

下水処理場で行われている微生物を用いた排水処理法では除去が困難な医薬品物質が多く存在するため、医薬品が水環境中に排出され、水生生物に悪影響を与えることが懸念されている。そこで本研究では、フェントン酸化処理法に着目し、難生分解性微量医薬品物質について、物理化学的手法による分解除去を積極的に施した場合の除去特性を明らかにすることを目的とした。実験を行った結果、以下の結論を得た。難生分解性微量医薬品の分解に対してフェントン法が効果的であることを確認し、理論当量の25 %で難生分解性微量医薬品を3分以内にほぼ100 %分解可能であった。理論当量の鉄イオンと過酸化水素を加えてもOHラジカルのスカベンジャー反応の影響により酸化によるTOC除去率は20 %にとどまったが、その後の凝集操作により分解生成物が除去され、最終的なTOC除去率は約80 %に達した。TOCの低減には酸化分解よりも凝集除去の寄与が大きいことが示された。

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© 2015 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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