抄録
都市ごみ焼却施設におけるパルジェット方式のバグフィルタ集塵装置によるHCL除去として常時使用する消石灰は、中和反応経路の検証から必然性があるとはいえ、排出規制濃度を満足するために集塵機手前において過剰の消石灰を投入している。本報では、集塵操作ならびに仕様の改善によるろ布層での消石灰とHCL反応の効率化を図り、消石灰使用量低減を実験的に検討し、以下の知見を得た。
① 払落し効果の高い制御を行うことで、ろ布出口におけるHCL濃度の低減≒消石灰投入量の低減が達成できる
② ろ布径の小さい仕様では高い払落し効果を得ることができ、HCL濃度の低減が達成できる
③ ろ布付着タ゛ストを層状に払い落とせる方式では、粉砕剥離方式よりもHCL濃度の低減に有効であり、これはろ布上に残留するタ゛ストが反応効率低下の要因であると推察される