抄録
最終処分場は廃止が決定されると維持管理を終了する事ができるが、集水ピット方式の準好気性埋立構造が採用されている最終処分場では、維持管理の停止により集排水管末端が浸出水で水没し、埋立層内部が嫌気化する事によりメタンガスの発生及び浸出水水質の悪化が懸念される。そこで、埋立廃止後の内部環境の変化が与える影響を評価することを目的して、最終処分場の廃止基準を満足している不燃物主体の準好気性埋立地から採取した廃棄物を小型埋立実験槽に充填し、その発生ガス質及び浸出水水質の挙動を調査した。その結果、易分解性有機物が少ないこと及び廃止後に十分な酸素が廃棄物内に存在していること等で不燃物主体の準好気性埋立地の集排水管の水没に伴う廃棄物層の嫌気化は軽微であることが明らかになった。また、その変化に伴う浸出水水質の変化や硫化水素・メタン発生のリスクは少ない事がわかった。