抄録
埋立地の安全閉鎖は「埋立地からの浸出水又は発生ガスが周辺地域の生活環境に支障を与えていない」状態を示しているが、廃止基準を満たした処分場において跡地利用の際にメタンが爆発する等の事故が報告されている。そこで、本研究では長期間(10年)埋立てられた廃棄物を用いて、BMP(Biochemical Methane Potential)試験によるメタン発生能を測定し、生物学的分解性の観点から長期埋立廃棄物の安定化評価手法としての有効性を検討した。その結果、埋立地を跡地利用する際に、埋立地内の生分解性廃棄物残存量や埋立容積が推定出来れば、BMP試験等の微生物学的評価手法を用いる事で、埋立跡地からのメタンによるリスク評価が可能となる。より安全・安心に埋立地を再利用するためには、これらの情報を基に十二分な対策を施す事が必要であると考える。