抄録
3R意識の向上やごみ有料化、人口減少などにより、一般廃棄物の排出量は減少すると考えられ、これに伴い、廃棄物処理施設の規模も縮小していくことになると考えられる。本研究では、2016年から2040年までの一般廃棄物の焼却需要と寿命を迎える焼却施設の処理能力、更新が必要となる処理能力、焼却施設の更新・運営に必要な費用を推計し、今後の焼却施設の延命化の方向性について検討した。その結果、多くの都道府県で一般廃棄物排出原単位の増減に関わらず、今後の人口減少により焼却需要量は現在よりも減少すること、一般廃棄物排出原単位が現在から-20%となるシナリオでは、廃止される処理能力のうち更新が必要となる処理能力が約7〜8割となること、処理費用が最小値をとる施設寿命のシナリオは都道府県ごとに異なり、地域ごとの詳細な分析が必要となること等が示唆された。